自動車保険は掛け捨て型なので、同じ補償内容であるならば保険料は安いほうが良いですよね。
運転者の年齢条件は、節約するコツやポイントのひとつです。
運転者の年齢の範囲を限定すればするほど保険料は割安になりますが、実際に事故が起きたときに運転者の年齢が条件から外れていた場合、事故による損害が補償されないので注意しなければなりません。
目次
運転者の年齢条件と自動車保険料割引の関係とは
運転者の年齢条件は、補償する自動車を運転する人の範囲を年齢で限定することで保険料が安くなる仕組みのことです。
一般的に自動車保険の保険料は、運転者の年齢が若いほど高くなりますが、これには理由があります。
今までの事故発生状況の統計情報をもとに、事故を起こす確率などから保険料が決められているからです。
年齢条件を設定する際のポイントとしては、保険対象の自動車を運転する可能性のある人が誰なのかをよく考えて、基本的にその中で最も若い人の年齢を基準にして設定することがコツですね。
運転者の年齢条件が適用される範囲は『同居の家族等』であることに注目!
『同居の家族等』とは、1.記名被保険者、2.記名被保険者の配偶者、3.記名被保険者またはその配偶者の同居の親族、4.1から3までのいずれかに該当する人の業務(家事を除く)に従事中の使用人です。
※3に別居の未婚の子が含まれていないことに注目すること。
※記名被保険者の年齢条件は保険会社により異なります。
タイプA:ソニー損保・イーデザイン損保・アクサダイレクト・チューリッヒ
【年齢条件(タイプA)】 | 【運転者の年齢】 | 【保険料】 |
---|---|---|
年令を問わず補償 | 運転者の年齢が18歳以上を補償 | 高い |
21歳以上補償 | 運転者の年齢が21歳以上を補償 | ↓ |
26歳以上補償 | 運転者の年齢が26歳以上を補償 | ↓ |
30歳以上補償 | 運転者の年齢が30歳以上を補償 | 安い |
タイプB:おとなの自動車保険(セゾン自動車火災保険)
【年齢条件(タイプB)】 | 【運転者の年齢】 | 【保険料】 |
---|---|---|
主に使用する人の保険開始日時点での年齢で決定する1歳刻みの保険料体型 | 運転者の範囲の条件で、同居の子が運転するタイプ(「運転者限定なし特約(同居の子年齢条件設定型)」)を選択の際には、同居の子の中で最も若い人の年齢を申告すること。その年齢に満たない同居の子が運転していた際の事故は、補償の対象外になるので注意 | 40代50代など事故率の低い世代の人を中心に、より納得できる保険料 |
タイプC:三井ダイレクト損保・東京海上日動火災保険・損保ジャパン・三井住友海上火災保険
【年齢条件(タイプC)】 | 【運転者の年齢】 | 【保険料】 |
---|---|---|
年令を問わず補償 | 運転者の年齢が18歳以上を補償 | 高い |
21歳以上補償 | 運転者の年齢が21歳以上を補償 | ↓ |
26歳以上補償 | 運転者の年齢が26歳以上を補償 | ↓ |
35歳以上補償 | 運転者の年齢が35歳以上を補償 | 安い |
タイプD:SBI損保
【年齢条件(タイプD)】 | 【運転者の年齢】 | 【保険料】 |
---|---|---|
年令を問わず補償 | 運転者の年齢が18歳以上を補償 | 高い |
21歳以上補償 | 運転者の年齢が21歳以上を補償 | ↓ |
26歳以上補償 | 運転者の年齢が26歳以上を補償 | 安い |
年齢条件から外れても補償される人とは
年齢条件の範囲の設定方法は運転する人を誰に限定するかによります。
『本人限定』の場合は、運転者本人の年齢に条件を設定をします。
『本人・配偶者限定』の場合は、本人と配偶者で若い方の年齢に年齢条件を設定します。
ここまでは当たり前過ぎたかもしれませんが、特に注目したいのはこの後です。
『家族限定』の場合は、「運転者限定の範囲」に同居の家族以外にも別居の未婚の子が含まれるので、別居の未婚の子を含めその中から最も若い年齢に年齢条件を設定すると考えてしまいがちです。
しかし、「年齢条件の範囲」は、別居の未婚の子を含めないため、本人、配偶者およびその同居の親族の中で最も若い人の年齢に合わせて年齢条件を設定すれば良いのです。
『限定なし』の場合も、『家族限定』の場合と考え方は同じです。
【運転者限定】 | 【保険対象車の運転者】 | 【保険料】 |
---|---|---|
限定なし | 運転者の範囲は制限なし | 高い |
家族限定 | 1.記名被保険者 2.記名被保険者の配偶者 3.記名被保険者またはその配偶者の同居の親族・別居の未婚の子 |
↓ |
本人・配偶者限定 | 1.記名被保険者 2.記名被保険者の配偶者 |
↓ |
本人限定 | 1.記名被保険者 | 安い |
つまり運転者限定が、『家族限定』の場合は別居の未婚の子、『限定なし』の場合は別居の未婚の子や知人が運転しても、年齢条件に関係なく補償されるのです。
年齢条件は保険期間中いつでも見直し変更ができる!
年齢条件の変更は更新時期まで待たなくても、保険期間中いつでも出来ます。
例えば、保険期間中に補償対象者の中で最も若い人が誕生日を迎えて一つ上の年齢区分に変更したい場合や、子供が大学生になり別居するので、その子以外の同居親族内で最も若い人の年齢に変更したい場合に変更手続きすると、一時払い(年払い)で保険料を支払っている人は保険料が戻ることもあります。
逆に子供が運転免許を取得し、家族で共用する自動車の年齢条件を下げる必要が出てくる可能性もありますが、このケースでは追加保険料を支払う必要が出てきます。
家族の誕生日や同居家族の増減時には、自動車保険の見直しをしましょう。
普通車と軽自動車で年齢条件別の保険料を実際に比較実施してみた結果は?
普通自動車と軽自動車で年齢条件別に見積もりを取ると、どのくらいの保険料の差が出るのでしょうか。
それでは実際に、普通車はトヨタ『ヤリス』、軽自動車はホンダ『N-BOX』で見積りを取ってみましたので、以下を御覧ください。
車種以外は同条件です。
普通車:トヨタ『ヤリス』の場合
・2020(令和2)年4月 発売モデル
・トヨタ新世代コンパクトカー「ヤリス(YARIS)」
普通車の見積もり条件
・自動車保険の見積もり時点で、他社にて契約している車
・現在の自動車保険の契約は1年契約
・記名被保険者は1982(昭和57)年7月生まれの38歳
車の型式 | 6AA-MXPH10 |
---|---|
初度登録年月 | 令和2(2020)年5月 |
保険期間 | 2021年5月31日から2022年5月31日 |
事故件数 | 0件 |
事故有係数適用期間 | 0年 |
免許証の色 | ゴールド |
運転者限定範囲 | 家族限定 |
契約距離区分 | 7,000km以下 |
使用目的 | 主に家庭用(通勤用含む) |
保険証券 | 発行しない |
等級 | 18等級 |
補償内容 | 対人賠償金額:無制限 対物賠償金額:無制限 人身傷害保険金額:3,000万 搭乗者傷害保険金額:無 無保険車傷害保険額:無制限(人身傷害で補償) 車両保険の有無:あり(200万:免責5-10万) |
普通車の見積もり結果
記名被保険者の年齢条件 | 年令を問わず補償 | 21歳以上補償 | 26歳以上補償 | 30歳以上補償 |
---|---|---|---|---|
支払保険料 | 110,480円/年 | 61,340円/年 | 40,560円/年 | 39,060円/年 |
(自動車保険LAB調べ)
普通車『ヤリス』の記名被保険者の年齢条件の最大(年令を問わず補償)と最小(30歳以上補償)の差額は、110,480円ー39,060円=61,970円(年間)という結果でした。
軽自動車:ホンダ『N-BOX』の場合
・2019(令和元)年10月 発売モデル
・ホンダ最量販軽自動車「N-BOX」
軽自動車の見積もり条件
・自動車保険の見積もり時点で、他社にて契約している車
・現在の自動車保険の契約は1年契約
・記名被保険者は1982(昭和57)年7月生まれの38歳
車の型式 | 6BA-JF3 |
---|---|
初度登録年月 | 令和2(2020)年5月 |
保険期間 | 2021年5月31日から2022年5月31日 |
事故件数 | 0件 |
事故有係数適用期間 | 0年 |
免許証の色 | ゴールド |
運転者限定範囲 | 家族限定 |
契約距離区分 | 7,000km以下 |
使用目的 | 主に家庭用(通勤用含む) |
保険証券 | 発行しない |
等級 | 18等級 |
補償内容 | 対人賠償金額:無制限 対物賠償金額:無制限 人身傷害保険金額:3,000万 搭乗者傷害保険金額:無 無保険車傷害保険額:無制限(人身傷害で補償) 車両保険の有無:あり(170万:免責5-10万) |
軽自動車の見積もり結果
記名被保険者の年齢条件 | 年令を問わず補償 | 21歳以上補償 | 26歳以上補償 | 30歳以上補償 |
---|---|---|---|---|
支払保険料 | 99,980円/年 | 55,750円/年 | 37,030円/年 | 35,690円/年 |
(自動車保険LAB調べ)
軽自動車『N-BOX』の記名被保険者の年齢条件の最大(年令を問わず補償)と最小(30歳以上補償)の差額は、99,980円ー35,690円=64,290円(年間)という結果でした。
まとめ
普通車のトヨタ『ヤリス』と軽自動車のホンダ『N-BOX』で、実際に見積りを取って比較した結果を見て、どのように感じたでしょうか。
記名被保険者の年齢条件の最大(年令を問わず補償)の差額は、110,480円ー99,980円=10,500円(年間)
記名被保険者の年齢条件の最小(30歳以上補償)の差額は、39,060円ー35,690円=3,370円(年間)
普通車と軽自動車の差額は、記名被保険者の年齢条件問わず補償で1万円以上の開きがありました。
基本的に記名被保険者の年齢条件を限定しない程、自動車保険料は割高になりますが、記名被保険者の年齢条件が同じだとしても、保険会社によって保険料が違います。
お得で安い保険料の自動車保険を調べるために、各損保会社を手当たり次第調べると、膨大な時間を必要とします。
このような場合には自動車保険一括見積りサービスを利用して2社から3社に絞り、次に損保会社の公式サイトから見積りを取って最終確認すると、時間を大幅に節約できるので覚えておきましょう。
当サイト内のコンテンツ『自動車保険の見積相場比較記事早見表』から、あなたの状況と近い記事を読むと、自動車保険の相場や選び方のコツなど参考になると思います。
合言葉は「思い立ったら吉日」です。