自動車保険は掛け捨て型なので、出来るだけ保険料は安いほうが良いですよね。
運転者限定条件は、節約するコツやポイントのひとつです。
運転者を限定するほど保険料は割安になりますが、実際に事故が起きたときに運転者の条件から外れていた場合、事故による損害が補償されないので注意しなければなりません。
目次
運転者限定と自動車保険の関係
運転者限定とは、補償対象の自動車を運転する人の範囲を限定することで保険料が安くなる仕組みのことです。
運転者の範囲を限定するほど、基本的に自動車保険料は割安になります。
逆に言えば、自動車を運転する人が多くなるほど、事後に遭う確率は高くなりますから自動車保険料も高くなります。
運転者の範囲を設定する際のポイントとしては、保険対象の自動車を運転する人が誰なのかを良く考えて設定することですね。
運転車の範囲を限定する目安となる表は以下のとおりです。
※運転者限定範囲は損保会社により異なります。
タイプA:ソニー損保(2020.4~)・SBI損保・イーデザイン損保
運転者限定(タイプA) | 運転者限定なし | 運転者家族限定 | 運転者本人・配偶者限定 | 運転者本人限定 |
---|---|---|---|---|
(1):記名被保険者 | ○ | ○ | ○ | ○ |
(2):(1)の配偶者 | ○ | ○ | ○ | × |
(1)または(2)と同居の親族 | ○ | ○ | × | × |
(1)または(2)と別居の未婚の子 | ○ | ○ | × | × |
(1)または(2)と別居の既婚の子、友人、知人など | ○ | × | × | × |
タイプB:おとなの自動車保険(セゾン自動車火災保険)
運転者限定(タイプB) | 運転者限定なし | 同居の子以外限定 | 夫婦・別居未婚の子限定 | 運転者本人限定 |
---|---|---|---|---|
(1):記名被保険者 | ○ | ○ | ○ | ○ |
(2):(1)の配偶者 | ○ | ○ | ○ | × |
(1)または(2)と同居の子 | ○ | × | × | × |
(1)または(2)と同居の親族 | ○ | ○ | × | × |
(1)または(2)と別居の未婚の子 | ○ | ○ | ○ | × |
(1)または(2)と別居の既婚の子、友人、知人など | ○ | ○ | × | × |
タイプC:損保ジャパン(2019.1.1以降)・三井住友海上火災保険(2019.1以降)・三井ダイレクト損保(2020.1.1以降)・東京海上日動火災保険(2020.1改定)
運転者限定(タイプC) | 運転者限定なし | 運転者本人・配偶者限定 | 運転者本人限定 |
---|---|---|---|
(1):記名被保険者 | ○ | ○ | ○ |
(2):(1)の配偶者 | ○ | ○ | × |
(1)または(2)と同居の親族 | ○ | × | × |
(1)または(2)と別居の未婚の子 | ○ | × | × |
(1)または(2)と別居の既婚の子、友人、知人など | ○ | × | × |
タイプD:チューリッヒ
運転者限定(タイプD) | 運転者限定なし | 運転者家族限定 | 運転者本人・配偶者限定 |
---|---|---|---|
(1):記名被保険者 | ○ | ○ | ○ |
(2):(1)の配偶者 | ○ | ○ | ○ |
(1)または(2)と同居の親族 | ○ | ○ | × |
(1)または(2)と別居の未婚の子 | ○ | ○ | × |
(1)または(2)と別居の既婚の子、友人、知人など | ○ | × | × |
タイプE:アクサダイレクト・ソニー損保(保険始期日2019.4.1~2020.3.31)
運転者限定(タイプE) | 運転者限定なし | 運転者本人・配偶者限定 |
---|---|---|
(1):記名被保険者 | ○ | ○ |
(2):(1)の配偶者 | ○ | ○ |
(1)または(2)と同居の親族 | ○ | × |
(1)または(2)と別居の未婚の子 | ○ | × |
(1)または(2)と別居の既婚の子、友人、知人など | ○ | × |
自動車保険の運転者限定でいう家族の範囲とは?
自動車保険でいう家族とは、世間一般での家族とは少し異なります。
親族とは、6親等内の血族、配偶者および3親等内の姻族をいいます。
また同居とは、扶養して「いる」・「いない」や同一生計「か」、「否か」に関わらず、同一家屋に居住していることをいいます。
したがって、別居の既婚の子は、自動車保険上では親族とみなしておらず、友人や知人と同等の扱いになりますので注意が必要です。
【保険料7万円以上お得な話】家族限定と年齢条件のココをチェック!
ある田中さん一家を例に解説します。
田中家の愛用車はトヨタ『ヤリス』です。
自動車保険の契約者は田中勝さん(50歳)で、妻の早苗さん(45歳)、お嫁に行った新婚さんの長女・泉さん(24歳)、短大生で寮生活中の二女・未来さん(20歳)という家族構成です。
長女の泉さんは運転がとても苦手で、いつも旦那さんに運転してもらっています。
だから、運転免許証は持っていますが、いわゆるペーパードライバーで運転はしません。
二女の未来さんは、運転するのが大好きだけど、車は持っていません。
よって、夏休み中など帰省時に、お父さんの車を運転します。
奥さんの早苗さんは、主に買い物する時に運転しています。
夫の勝さんは週に約3日、通勤に車を使っています。
さて、問題です!
田中さん一家に最適な自動車保険の補償内容として『運転者限定』と『年齢条件』は、1と2どちらが良いでしょうか?
車を運転する人は勝さん(50歳)、早苗さん(45歳)、未来さん(20歳)で、3人全て補償されるように考えて下さい。
1.『家族限定』と『年令を問わず補償』
2『家族限定』と『30歳以上補償(または35歳以上補償)』
↓
↓
↓
答えは・・・
↓
↓
↓
正解は、2番の『家族限定』と『30歳以上補償(または35歳以上補償)』です。
『家族限定の範囲』は、上で説明したとおり、契約者本人と配偶者、同居の親族、別居の未婚の子です。
一方、『年齢条件の範囲』は、契約者本人と配偶者、同居の親族です。
つまり、『家族限定の範囲』と『年齢条件の範囲』の違う点は、《別居の未婚の子》が含まれているかです。
したがって、『年齢条件の範囲』は別居の未婚の子の未来さん(20歳)の年齢を考慮する必要は無く、夫婦のうち若い方の年齢を基準に考えれば良いのです。
田中さん一家の場合、2番の『家族限定』と『30歳以上補償(または35歳以上補償)』の補償範囲条件で十分ですが、もし勘違いして1番の『家族限定』と『年令を問わず補償』の補償範囲条件で加入していたら、年間いくら損をしていると思いますか?
それでは田中さん一家の車、トヨタ『ヤリス』で見積もりを取ってみましたので、以下を御覧ください。
田中さん一家の愛用車『アクア』の見積もり条件
・2020(令和2)年4月 発売モデル
・トヨタ新世代コンパクトカー「ヤリス(YARIS)」
・自動車保険の見積もり時点で、他社にて契約している車
・現在の自動車保険の契約は1年契約
・記名被保険者の田中勝さんは、1970(昭和45)年7月生まれの50歳
車の型式 | 6AA-MXPH10 |
---|---|
初度登録年月 | 令和2(2020)年5月 |
保険期間 | 2021年5月31日から2022年5月31日 |
事故件数 | 0件 |
事故有係数適用期間 | 0年 |
免許証の色 | ゴールド |
使用目的 | 主に家庭用(通勤用含む) または日常・レジャー |
予想年間走行距離 | 7,000キロ |
保険証券の発行 | 発行する |
等級 | 18等級 |
補償内容 | 対人賠償金額:無制限 対物賠償金額:無制限(対物超過修理費用補償型) 人身傷害保険金額:3,000万(車内+車外補償型) 搭乗者傷害保険金額:なし 車両保険の有無:あり(200万:免責5-10万) |
田中家『ヤリス』の見積もり結果
条件 | 【1番の条件】 ・家族限定 ・年齢を問わず補償 |
【2番の条件】 ・家族限定 ・30歳以上補償(または35歳以上補償) |
---|---|---|
保険料 | 112,560円/年 | 41,240円/年 |
田中さん一家のケースと類似する家族の人は、一度、自身が加入する自動車保険の補償内容を見直してみると良いですよ。
以上、保険料7万円以上お得な話でした。
普通車と軽自動車で運転者限定別の保険料を比較実施した結果は?
普通自動車と軽自動車で運転者限定別に見積もりを取ると、どのくらいの保険料の差が出るのでしょうか。
それでは実際に、普通車はトヨタ『ヤリス』、軽自動車はホンダ『N-BOX』で見積りを取ってみましたので、以下を御覧ください。
車種以外は同条件です。
普通車:トヨタ『ヤリス』の場合
・2020(令和2)年4月 発売モデル
・トヨタ新世代コンパクトカー「ヤリス(YARIS)」
普通車の見積もり条件
・自動車保険の見積もり時点で、他社にて契約している車
・現在の自動車保険の契約は1年契約
・記名被保険者は1982(昭和57)年7月生まれの38歳
車の型式 | 6AA-MXPH10 |
---|---|
初度登録年月 | 令和2(2020)年5月 |
保険期間 | 2021年5月31日から2022年5月31日 |
事故件数 | 0件 |
事故有係数適用期間 | 0年 |
免許証の色 | ゴールド |
記名被保険者の年齢条件 | 30歳以上限定(または35歳以上限定) |
使用目的 | 主に家庭用(通勤用含む) または日常・レジャー |
予想年間走行距離 | 7,000キロ |
保険証券の発行 | 発行しない |
等級 | 18等級 |
補償内容 | 対人賠償金額:無制限 対物賠償金額:無制限 人身傷害保険金額:3,000万 搭乗者傷害保険金額:なし 車両保険の有無:あり(200万:免責5-10万) |
普通車の見積もり結果
運転者限定範囲 | 運転者限定なし | 運転者家族限定 | 運転者本人・配偶者限定 | 運転者本人限定 |
---|---|---|---|---|
支払保険料 | 39,450円/年 | 39,060円/年 | 36,770円/年 | 36,380円/年 |
(自動車保険LAB調べ)
普通車『ヤリス』の運転者限定範囲の最大(運転者限定なし)と最小(運転者本人限定)の差額は、39,450円ー36,380円=3,070円(年間)という結果でした。
軽自動車:ホンダ『N-BOX』の場合
・2019(令和元)年10月 発売モデル
・ホンダ最量販軽自動車「N-BOX」
軽自動車の見積もり条件
・自動車保険の見積もり時点で、他社にて契約している車
・現在の自動車保険の契約は1年契約
・記名被保険者は1982(昭和57)年7月生まれの38歳
車の型式 | 6BA-JF3 |
---|---|
初度登録年月 | 令和2(2020)年5月 |
保険期間 | 2021年5月31日から2022年5月31日 |
事故件数 | 0件 |
事故有係数適用期間 | 0年 |
免許証の色 | ゴールド |
記名被保険者の年齢条件 | 30歳以上限定(または35歳以上限定) |
使用目的 | 主に家庭用(通勤用含む) または日常・レジャー |
予想年間走行距離 | 7,000キロ |
保険証券の発行 | 発行しない |
等級 | 18等級 |
補償内容 | 対人賠償金額:無制限 対物賠償金額:無制限 人身傷害保険金額:3,000万 搭乗者傷害保険金額:なし 車両保険の有無:あり(170万:免責5-10万) |
軽自動車の見積もり結果
運転者限定範囲 | 運転者限定なし | 運転者家族限定 | 運転者本人・配偶者限定 | 運転者本人限定 |
---|---|---|---|---|
支払保険料 | 36,050円/年 | 35,690円/年 | 33,590円/年 | 33,250円/年 |
(自動車保険LAB調べ)
軽自動車『N-BOX』の運転者限定範囲の最大(運転者限定なし)と最小(運転者本人限定)の差額は、36,050円ー33,250円=2,800円(年間)という結果でした。
まとめ
普通車のトヨタ『ヤリス』と軽自動車のホンダ『N-BOX』で、実際に見積りを取って比較した結果を見て、どのように感じたでしょうか。
運転者限定範囲の最大(運転者限定なし)の差額は、39,450 円ー36,050 円=3,400円(年間)
運転者限定範囲の最小(運転者本人限定)の差額は、36,380 円ー33,250 円=3,130円(年間)
普通車と軽自動車の差額は、運転者限定なしで3千円以上の開きがありました。
基本的に運転者の範囲を限定しない程、自動車保険料は割高になりますが、運転者限定範囲が同じだとしても、各損保会社によって保険料が違います。
お得で安い保険料の自動車保険を調べるために、各損保会社を手当たり次第調べると、膨大な時間を必要とします。
このような場合には自動車保険一括見積りサービスを利用して2社から3社に絞り、次に損保会社の公式サイトから見積りを取って最終確認すると、時間を大幅に節約できるので覚えておきましょう。
当サイト内のコンテンツ『自動車保険の見積相場比較記事早見表』から、あなたの状況と近い記事を読むと、自動車保険の相場や選び方のコツなど参考になると思います。
合言葉は「善は急げ」です。